商品データを活用し販社・代理店とのエンゲージメントを強化する「販社・代理店向けポータル」

2021.04.26  株式会社エクサ

これまで弊社のWebサイトやブログで商品情報管理(PIM:Product Information Management)システムにはどのような機能があるのか、商品データを効率よく管理していくためにはどのようなデータモデルを定義すればよいか、などについて説明してきました。また、PIMの導入や運用時のノウハウや陥りやすい課題についても説明してきました。

PIMは商品データや関連するデジタルアセットを格納するデータベースであり、システムとしてはとてもシンプルです。しかし、システム構築が終わり商品データを登録しようとすると、必要な情報の収集に時間がかかる、情報が整理されていないなどの課題に直面し、投入するデータの準備に多大な労力が必要となることもあります。

多くの時間と要員を投入して作り上げた商品データは、多種多様なチャネルに連携することではじめて価値が生まれます。商品データの連携先チャネルとして代表的なものとしては「Webサイト」「Eコマース」があります。そして、BtoBビジネスにおいては「販社・代理店向けポータルサイト」も主要な連携先チャネルになります。

今回はBtoBビジネスに焦点を絞り、「販社・代理店向けポータル」の概要や求められる機能について紹介します。


販社・代理店向けポータルの概要

BtoBビジネスにおいては、まだ営業担当者が販社や代理店に訪問したり、電話をかけて情報提供したりしていることが多いのが現状です。しかし、2025年の崖やデジタルネイティブへの世代交代により、徐々にデジタルシフトが進んできました。そして、昨年のコロナ禍において訪問による対面営業が制限されたことにより、デジタルシフトが急激に加速されています。

販社・代理店の担当者にとって、オンラインで商品を検索し、カタログや提案資料あるいはCAD図面などの必要なデータを取得する頻度が増えました。また、セミナーや展示会のオンライン化が進む中で、新商品の情報などもオンラインで情報収集することが増え、BtoB企業は適切なタイミングでオンライン上に情報公開して販社・代理店に伝達することが求められるようになりました。

これらの仕組みを満たすシステムが「販社・代理店向けポータル」になります。販社・代理店向けポータルを活用することで、販社・代理店の担当者へ提供する商品情報の鮮度や精度をアップさせ、営業力や製品サポート力を強化することができます。また、販社・代理店とBtoB企業の間にエンゲージメントが形成され、双方のメリットが生まれWin-Winの関係構築に繋がります。

販社・代理店向けポータルに求められる機能

販社・代理店向けポータルに求められる機能は多種多様であり業種・業界によって変わってきます。今回は製造業のBtoB企業において必要となる代表的な機能を紹介します。

商品検索機能

製造業であれば、詳細な商品情報を販社・代理店に提供することは非常に重要です。以前のブログで紹介しているように、商品情報の中には、基本情報・スペック情報・オプション品・後継品など多種多様な情報があり、それらの情報が分かりやすく整理された状態で参照できる必要があります。また、商品に紐づく画像や動画、カタログや仕様書、CAD図面などのデジタルアセットは、簡単にダウンロードして利用できる状態になっている必要があります。

そして、販社・代理店に商品情報を有効に活用してもらうには、目的の商品を素早く検索するためのUI/UXも非常に大切です。販社・代理店の業務を想定し、どのような条件で検索できるようにするかを検討して実現することで、利用者の満足度が大きく変わってきます。

portal_search.jpg販社・代理店向けポータルで利用する商品情報や商品に紐づくデジタルアセットは、PIMで一元管理されている事が多いです。PIMと販社・代理店向けポータルを連携することで、商品情報の品質や情報統制をコントロールしつつ、適切なタイミングで質の高いデータを提供できます。

提案支援機能

販社・代理店に自社商品を積極的に販売してもらうには、最終顧客への提案を支援する機能が必要になります。

提案テンプレートや事例集を提供することで、販社・代理店の提案準備の負荷を軽減し、容易に提案できるようにすると効果的です。さらに、販社・代理店が複数の商品をピックアップしてまとめて提案できるような仕組みを提供することによってクロスセルを狙い、販社・代理店の売上向上を支援することができます。

もし商品の構成が複雑な場合は、CPQ(Configure Price Quote)機能を提供すると大きなメリットとなります。CPQ機能とは複雑な商品の構成を作成する際に必要な項目を順次選択していくことで、誤りなく効率的にコンフィグレーションできる仕組みになります。この機能があれば、経験の少ない担当者でも短時間で商品の構成を作成することができます。

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上記以外にも、VRやARを使って商品の見た目や使い勝手をシミュレーションする機能であったり、既存の商品を置き換えた場合のメリットをグラフや比較表で分かりやすく見せたり、扱っている商品の特徴に応じて提案を支援する機能を提供することで、販社・代理店が自社製品を積極的に販売してくれることに繋がります。

サポート機能

販社・代理店向けポータルを通じて商品情報や提案に役立つ多くの情報を提供していたとしても、それが一方的なものであれば、販社・代理店の担当者にとって有効ではなくなるかもしれません。これを改善するために、双方向コミュニケーションができる仕組みも大切です。

デジタルシフトが進む中で、ビジネスにおいてもチャットの活用が進んでいます。販社・代理店向けポータルでチャット機能を提供すれば、販社・代理店の担当者が気軽に問い合わせすることができて満足度が向上するでしょう。

チャット機能を提供するBtoB企業としても、よくある質問などはAIを使って自動応答する仕組みを組み込んでおけば、問い合わせ対応の負荷が軽減され業務効率が上がります。また、問い合わせ内容はすべてデータとして残るため、定期的に棚卸しして回答の精度を改善していくこともできます。

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まとめ

今回は、販社・代理店向けポータルの概要と代表的な3つの機能を紹介しました。

現在、多くの企業でDXが進んでいる中、製造業の方にとっては販社・代理店との業務の改善は非常に重要になっていることでしょう。デジタルシフトによってこれまでの業務が大きく様変わりし、今までにない大きな価値を生み出すことができるようになってきています。競合他社もデジタルシフトを進める中で、他社と差別化を図り、販社・代理店と強力なデジタルエンゲージメントを構築していくことはとても重要です。

エクサでは、PIMによる商品データ管理からCMSでのWebサイト構築販社・代理店向けポータル構築まで幅広くサービスを提供しています。商品データの管理、Webやポータルでの情報公開についてお悩みの際は、ぜひエクサにご相談ください。
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