商品情報管理システム(PIM)導入の落とし穴

2020.12.21  株式会社エクサ

コロナ影響等で今までのような対面営業が難しくなってきている今、多くの企業ではWebサイトのリニューアルやECサイト導入などのデジタル化を進めています。

また、WebサイトのリニューアルやECサイト導入においては自社の商品情報の効率的な管理・配信が必要となり、そのための基盤である商品情報管理システム(PIM:Product Information Management)を検討する企業が増えています。

WebサイトやECサイトにとどまらず、さまざまなデジタル販売施策展開を考えている企業にとって、必須となるPIM。

弊社では、これまで多くのお客様にPIMを導入してきました。今回はその経験からPIM導入の落とし穴となる「失敗あるある」を紹介します。

失敗あるある(その1):関係者が多すぎる

「商品情報管理」という言葉から何を連想されるでしょうか

「商品」「管理」といった単語でネット検索すると「在庫管理」に関するサイトが多くリストアップされ、PIMという情報にはたどりつけません。「在庫管理」や「受注管理」「製造管理」などを連想される方が多いのかもしれません。

なんとなく連想したそれらの言葉からプロジェクトの関係者を招集すると、関連する組織や関係者が多岐に渡ってしまいます。その結果、それぞれの各ステークホルダーがイメージする「管理すべき情報」も異なり、方向性が決まらずプロジェクトが全く進まなくなってしまう。。。といったことになりかねません。

「商品情報管理システム(PIM)」導入プロジェクトをスタートする時には、まず「商品情報管理」として何の情報を管理すべきなのかをよく検討するする必要があります。

弊社では、管理対象とする情報を販売促進という観点での情報に絞り、関係者をなるべく少なくするスモールスタートでの導入を推奨しています。

失敗あるある(その2):必要な体制がとられていない

PIMを検討する企業は、何万件といった商品を持っています。また、商品のカテゴリー毎に異なる商品特性があります。弊社では今までの経験から、ある程度商品の構成を推定しながら、どのように商品を格納すれば最適な「商品のモデル定義」が設計できるかを検討しPIM構築プロジェクトを進めることができます。

ただし、言葉の揺らぎがあり同じ意味をあらわしている商品情報が複数あるケースや、過去の経緯により商品構成が複雑になっているケースなど、商品を把握されているお客様でないとわからないことも多くあります。

これらの経緯を含め、社内で商品に詳しい方がプロジェクトに参画していないと、データを実際に投入する工程で例外商品があることが発覚し、根本的に商品のモデル定義を見直す必要が出てきたり、Webサイト上で同じ意味の商品情報にもかかわらず違う情報のように扱われてしまったり、といったことが起きてしまいます。発覚するタイミングによっては、大きな手戻りを余儀なくされ、スケジュールが大きく遅延する事態に陥りかねません。

そのため、商品に詳しい方をしっかりと確保することが必須です。

失敗あるある(その3):データ準備計画が練られていない

商品のモデル定義が確定したあとは、実際に商品をPIM上に投入していきます。用意した商品数が多いと、少しの想定違いがスケジュールに大きく影響してしまうことがあります。

そのため、以下のようなことを事前にきちんと把握しておく必要があります。

  • 全体のボリュームはどの程度か

  • どのような状態で商品情報が存在しているのか(ファイル形式、そのまま利用できるデータなのかどうか、不足している商品はないのか等)

  • どの程度のスピードで商品情報を準備していくことができるのか

上記を整理すると、デジタルの商品情報が存在している場合でも、よくよく確認すると加工しなくてはいけなかったり、全て揃っていると考えていた情報も一部の商品が欠けていたりといったことが発覚することがあります。

実際にはまず小ロットでデータを準備してみて、課題や準備スピードを見極めた上で全体のデータ準備作業に取り組む、といった進め方が望ましいでしょう。

まとめ

商品情報管理システム(PIM)の導入プロジェクトには、いくつか押さえておくべきポイントがあることがご理解いただけたかと思います。

私はECサイトを良く利用します。自分で運ぶには重いものを購入する時にはとても便利ですし、電化製品や服飾品などを時間のある時にゆっくり家で商品を選択できるということも非常に魅力的です。ただし、ECサイトでは直接商品を見ることが出来ないため商品情報が不足していると残念ながら購入は見送ってしまいます。

こういった機会損失を防ぐために、また商品をさらに魅力的に見せる仕組みのベースとして、これからは商品情報管理(PIM)が必須になると考えています。

当社では豊富な経験をもとに商品情報管理システム(PIM)製品の導入をお手伝いさせていただいています。ぜひお気軽にご相談ください。

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