コロナ禍の影響もあり急速に進むオンライン化の波を皆様も感じてらっしゃるのではと思います。筆者も在宅勤務となり早半年以上経ち、お客様や社内ミーティングを含めほとんどの業務がオンラインで成り立っています。
そんな中、今回のブログでは会社から自社商品のEC販売促進などの施策を急に求められ、「さてどうしよう!?」と戸惑っていらっしゃるご担当者様を想定し、商品情報管理を始める方法をご紹介します。プロジェクト推進のポイントを踏まえながら商品情報整理のプロセスを理解することで、作業の雰囲気をつかんでいただき、商品情報管理をはじめる最初の一歩を踏み出す後押しとなれば幸いです。
商品情報管理へのはじめの一歩
最初の一歩を踏み出すために、まずは商品情報の現状を把握する必要があります。
自社管理の商品について、デジタル化されている・されていないにかかわらず何かしらの商品情報が存在しています。少なくとも型番や商品名といった情報はどこかにあるでしょうし、自社で商品を製造れているのであれば、製品仕様を取り決めた情報があります。
また、商品情報を世の中に伝えるために画像やキャッチコピーなど販売促進のための情報もあるにはある(整理はされていないけれどね...)といった企業様が多いのではないでしょうか。
それらをリストアップすることが、まずは商品情報管理へのはじめの一歩です。
商品情報構成を把握する
リストアップ後、この情報から構成(商品と商品の関係性など)を把握していくという作業が必要です。この構成の把握が商品情報を整理・システム化する際のデータモデル定義ということになります。
このあたりの詳細は、別のブログ記事(「商品情報のデータモデルとは」など)で解説しているので割愛しますが、この構成把握で重要なポイントは商品を一意に特定する(重複しない)ためのコード(商品コード)になります。このコードがしっかりと各情報に関連付けされていれば、第一段階はクリアです。
もしここで商品を一意に特定するためのコードが全体で統一されていない場合は、情報間の関連がシステム的に紐づけられなくなってしまうため、それを補完するひと手間が必要となってきます。
歴史のある企業様ですと利用できると思われたコード体系が過去の経緯によって変わっていたり、コードの一意性の担保ができない、なんてケースもあるかもしれません。その場合は、新しくコード発行するなどを検討していく必要があります。しかし、既に社内に在庫管理などのシステムが稼働している場合には、そことの整合性をとる一大プロジェクトになりかねません。
システム化を目指すなら、まずは商品情報管理システム(PIM:Product Information Management)内部でのコードとしての整理に留めることが、PIM導入による成果をクイックに得るためのポイントとなります。
また、最初の商品情報のリストアップの段階であまりにたくさんの情報が出てきた場合や、構成を整理するのが難しい情報に直面した際には、まずは基本となる情報のみに絞り込んで整理する、といった段階的な進め方が必要です。さもないと整理する作業にばかり時間がとられ、商品情報管理のメリットが社内外にうまく伝えられず、プロジェクトの意義が問われ始めて頓挫してしまう、なんてことになってしまうかも。。。
商品情報を集め、品質を上げる
構成が把握できたら具体的な商品情報を準備していくことになります。
情報がデジタル化されている(システムが処理できる形になっている)場合とされていない場合で、作業ボリュームが大きく変わってきます。データモデルとしてどのような構成を定義した場合でもデジタル化さえされていれば、後はプログラム的な処理によりどうとでも調理して、商品情報として収めることが可能です。そうでない場合には、人手によりひたすら地道に商品情報データを準備していく、という険しいコースをたどる可能性が高くなります。
そして、そこで問題になるのが商品情報の品質です。人が手で作業したものには必ず一定の誤りが発生します。何万、何十万といった単位で商品情報を管理される企業様も多く、人手でチェックするには限界があります。100%完全な商品情報にすることは不可能に近いでしょう。
そのため、人手で商品情報を準備する場合には、機械的にデータの不備をチェックするような仕組みをお勧めいたします。例えば、エクセルなどで商品情報を整理することが多いかと思いますので、そこである程度データの不備を検出できるような仕組みにしておくことができます。(エクセルを活用したPIM構築についてこちら)
また、初期のデータ準備が完了した後も運用において商品情報の追加や更新があるので、PIMシステムの中でも品質チェックを行うことで、常に一定の品質が担保された商品情報がPIMの中に格納されている、といった状態が望ましいです。弊社の取り扱うPIM製品(Contentserv)にも商品情報の品質チェックを行う機能があります。
ただし、現実的には機械的にチェックしきれない内容の情報も多く、PIMに格納した商品情報をWebサイトなどに公開した後に徐々にその品質の問題が明らかになる、といったケースも多々あります。よほど致命的な誤りでない限り「公開して誤りに気が付いた箇所を都度修正していく」といった方法も、限られたリソースの中でPIMのメリットをより早く訴求するという意味ではアリだと思います。この方法でもPIMでしっかりと商品情報を管理し、丁寧に修正を重ねれば、商品情報は確実に正確なものになっていきます。
まとめ
商品情報管理を実現するには地道な努力が必要になります。しかし始めなければいつまでたっても整理された商品情報は手に入らず、ECやマーケティング、これからのDXに活かすことはできません。本ブログで商品情報管理のはじめの一歩のイメージをつかんでいただき、貴社ビジネスのベースとなる商品情報獲得への一助となれば幸いです。
当社ではPIM導入の初期の検討段階から、商品情報整理の進め方なども含めてご協力できますので、お気軽にご相談下さい。