商品データの管理方法とありがちな課題

2020.10.26  株式会社エクサ

商品を販売するためには、まず顧客に商品を認知してもらうことが大切です。顧客が商品を認知したら、次に商品に興味を持ってもらい、その商品を購入したい、またはその商品についてもっと知りたいという欲求へと変えていきます。顧客が興味や欲求を持っているときに、企業は適切な商品情報を顧客に提供する必要があります。

今回は、顧客に商品情報を提供するにあたり、企業にはどのような商品データの管理方法があるか、そしてどのような課題があるかについてご紹介します。

紙カタログで商品データを管理する方法と課題

Webが普及する以前は、商品情報を調べるのに多くの人が紙のカタログを使用していました。私も昔は、家電を購入する際、家電量販店でカタログを集めて比較し、購入する商品を決めていました。今では、Webで簡単に調べることができるようになり、店舗に足を運ぶ必要もなく、とても便利になりました。

コンシューマ向け商品はWeb上の情報が充実していますが、業務用の商品についてはどうでしょうか。業務用の商品もWeb上の情報は増えてきていますが、まだ一部の商品のみの公開であったり、公開している情報が少なかったりしている状況ではないでしょうか。業務用の商品を扱っている業者の方に聞くと、現在も紙カタログを販売代理店等に提供し、紙カタログを使用して商品情報を調べていることが多いようです。

紙カタログには、Webにはないメリットがありますが、デメリットもあります。紙カタログのメリットとデメリットについて整理してみました。

紙カタログのメリット

  • 商品に応じて適切なレイアウトで記述され、各商品の訴求力がある

  • 一覧性が高く、パラパラとページをめくって情報を見ることができ、新しい発見がある

紙カタログのデメリット

  • Webに比べて、キーワード等での検索性が低い (索引を利用して探す必要がある)

  • 情報更新が容易にできないため、時間が経つにつれ情報が古くなる

  • 制作・配布コストが高い

  • 持ち運びが大変でいつでもどこでも見られるわけではない

今後、紙カタログがなくなるということはないと思われますが、コロナ禍でデジタル化が加速していく中、その存在価値は限定的になっていきそうです。

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Webカタログで商品データを管理する方法と課題

紙カタログのデメリットを改善するために、紙カタログをPDFやeBookに変換して配信するWebカタログが使われることも多くなってきました。

Webカタログを使用することで、持ち運びが不要になったり、配布コストを下げたりすることができます。また、キーワードによる検索も容易にできるようになります。

Webカタログは、紙カタログの良さとWebの良さを兼ね揃えた非常によいツールのように思えますが、実際に使ってみると結構使いづらいものです。まず、紙カタログのデザインをPCやスマホの画面で見ようとすると拡大や縮小しながら見る必要があり非常に手間です。紙カタログの場合、大体このあたり、と当たりをつけて開き、パラパラページをめくって該当製品を探すことができますが、Webカタログでそのような使い方をしようとするとページをめくる速度が遅く、紙カタログと同じというわけにはいきません。

また、Webカタログは元となるデータが紙カタログであるため、制作コストは依然として高く、情報更新も容易ではないというデメリットがあります。

CMSやEC利用のためにEXCELで商品データを管理する方法と課題

WebカタログではWebのメリットを上手に活かしきれないため、CMS(Content Managemant System)を使ってWeb向けに商品データを最適化して公開することが増えてきました。また、コロナ禍で対面での営業活動が難しくなり、ECを使って販売を促進しようという動きも増えてきました。

では、CMSやECに表示する商品データは、どのように管理するのがよいでしょうか。真っ先に思いつく方法としてExcelで管理する方法があります。Excelであれば、商品の基本情報、スペック情報、関連製品や画像ファイルの一覧などを誰でも容易に作成できます。

Excelで管理している商品データをCMSやECに投入する場合は、そのExcelの内容を登録用のフォーマットに変換する必要があります。変換は、主に手作業で実施する場合とETLツールなどを使って実施する場合があります。手作業で実施する場合、商品数が増えると作業工数が膨らむことになります。また、人為的ミスで誤った情報を公開してしまうこともあります。ETLツールを使えば容易に変換できるのですが、Excelのフォーマットが商品を管理している部署ごとに独自最適化されてフォーマットの種類が増えると、変換ルールの作成が非常に大変になります。

CMSやECに商品データを登録して運用を始めると、寸法や重量などの情報で検索できるようにしたいという要望がでてきます。これを実現するためには、商品データの寸法や重量の項目が数値で登録されている必要があります。しかし、Excelの場合ユーザが自由に値を入れることができるため、数値項目に「10~15」のように範囲で値が入力されたり、数値の後に注意書きが入力されたりしてしまい、CMSやECへの登録でエラーになることがあります。Excelマクロなどを組み込むことで入力制限を設けることも可能ですが、その場合Excelの作り込みが大変になります。

CMSやEC利用のために独自データベースで商品データを管理する方法と課題

Excelで管理する場合、上記のようなExcelの自由さゆえのトラブルが発生する可能性があります。

それを回避するために独自の商品データベースを構築し、商品データの各項目に正しい形式でないと入力できないように入力制限を付け、自動チェックをかける方法があります。独自の商品データベースを構築するには、DBの設計や運用者が容易にデータ登録できるユーザインタフェースの開発が必要になり、多くの初期投資が必要です。

また商品データは、多種多様なマーケティングチャネルで利用されるため、管理するデータ項目の追加が必要になったり、海外展開のために翻訳データの登録が必要になったりすることが多く、新たな要望が出てくるたびにDBの変更が必要になったり、ユーザインタフェースの追加開発が必要になったりします。これらの開発には、ある程度の期間を要するため要望への対応が遅れるという課題もあります。

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商品データをPIMで管理する

ここまで商品データの管理・配信方法について、説明してきましたがそれぞれ一長一短があります。

今後、CMSやECの利用が加速されていく中で、Excelや独自の商品データベースを構築して運用するのでは、市場変化への素早い対応やコスト面で、課題があることがご理解いただけたと思います。これらを解決するためのソリューションとして商品情報管理(PIM:Product Information Management)と呼ばれる製品があります。最近では国内での導入企業も増えてきています。

PIMの詳細については、弊社のサイト内で詳しく解説・紹介しています。PIMを活用することで、本ブログで説明した様々な商品データ管理・配信方法のデメリットを一掃し、顧客へ適切な商品データをタイムリーに配信することができるようになります。弊社では、たくさんのお客様とともに商品データの特性を分析してPIMに取り込み、管理する仕組みを構築してきました。商品データの管理・活用についてお悩みの際は、ぜひエクサにご相談ください。

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