2013年頃から耳にするようになった「デジタルマーケティング」。今ではすっかり日本のビジネス環境にも定着してきました。その他にも「Webマーケティング」や「インバウンドマーケティング」など、インターネットを活用する企業を中心に「◯◯マーケティング」という言葉が多く使われるようになってきました。
それでは、デジタルマーケティングとは一体どういうものなのでしょうか?「インターネットを活用して行うマーケティング」と理解していても、具体的に何をするものなのでしょうか?どういった目的に対して効果的なものなのか?などの詳細な内容については、知らないという方も多いのではないでしょうか。
そこで本稿では、デジタルマーケティングとは何なのか?その基礎から、Webマーケティングとの違いについて解説します。
デジタルマーケティングって、なに?
最初に、そもそもマーケティングとは何かを説明します。実は、いまさらなのですが「マーケティング(Marketing)」という言葉に合う正確な日本語訳というものは存在しません。ただし、以下のように文章で説明されると、マーケティングの本来の意味が理解できます。
<マーケティング(Marketing)>
商品やサービスをより多く、より効率的に売るために、市場調査とそれに伴う商品開発・販売活動を行い、顧客から得られるリアクションデータを分析して、数多の情報を商品開発・販売活動へさらに活かすこと。または、そうした「売れる仕組み」を作ること。
では、デジタルマーケティングとはどういう意味でしょうか?「デジタル」と付くのですから、インターネット上で展開されるマーケティングを表しているということは誰もが理解しています。理解のポイントは、マーケティングの範囲です。
一言にデジタルといってもその範囲は広く、Webサイト・ECサイト・SNS・スマートフォンアプリ・デジタルサイネージなど、最近ではオフラインに近い場所にもそのリーチを伸ばしています。デジタルマーケティングはこうした様々なデジタルチャネル(デジタルにおけるユーザとの接点)を活かして、統合的に展開されるマーケティングのことを指します。
さらに付け加えると、従来からあるマスマーケティング(テレビCMや雑誌広告など)とは異なり、マーケティングを受けたユーザからのリアクションデータをすぐに入手できるのも大きなポイントです。マーケティングから得られる様々なデータを分析し、ビジネスに活用できる情報に変換して、改善されたマーケティング施策へと繋げていきます。デジタルマーケティングでは、このサイクルを非常に早く回せることが利点です。
Webマーケティングとの違い
「Web(ウェブ)」とは「World Wide Web(ワールド・ワイド・ウェブ)」の略称であり、デジタル同様にインターネットそのものを表す言葉として使用されています。要するに「Webサイト」といえば「インターネット上で公開されているサイト」を指します。そのため、デジタルマーケティングとWebマーケティングは同義だと考えている方が多いのではないでしょうか。では、2つのマーケティングの違いについて確認していきましょう。
<デジタルマーケティングとWebマーケティング>
デジタルマーケティング
|
Webマーケティング | |
マーケティング媒体 | Webサイト | Webサイト |
ECサイト | (単体あるいは複数) | |
外部サイト | ||
Eメール | ||
SNS | ||
スマートフォンアプリ | ||
デジタルサイネージ | ||
IoT | ||
GPS | ||
Beacon | ||
動画配信プラットフォーム | ||
POSシステム | ||
用いられる施策 | SEO | SEO |
リスティング広告 | リスティング広告 | |
バナー広告 | バナー広告 | |
ランディングページ | ランディングページ | |
メールマガジン | メールマガジン | |
SNSコンテンツ | ||
SNS広告 | ||
アプリ広告 | ||
デバイスデータ分析 | ||
行動履歴分析 | ||
動画マーケティング | ||
Etc... | ||
ターゲット | インターネットユーザー | インターネットユーザー |
SNSユーザー | ||
アプリユーザー | ||
街頭ユーザー | ||
IoTデバイスユーザー | ||
店舗訪問ユーザー | ||
動画視聴ユーザー | ||
具体的なゴール | 問い合わせ | (Webサイト上での) |
申し込み | 問い合わせ | |
購入 | 申し込み | |
などの具体的な | 購入 | |
アクションに加えて... | ||
あらゆるデジタルチャネルから取得できるデータを統合・分析し、顧客の購買行動や趣味趣向、その他あらゆるインサイト(洞察)を得てビジネスに活用する |
以上のように、デジタルマーケティングはWebマーケティングに比べて、かなり広範囲にわたるマーケティングだということが分かります。「Web」という言葉は確かにインターネットを表しますが、「Webマーケティング」というとWebサイトに限定したマーケティングを指すため、意味は限定的になります。
Webマーケティングは1つのマーケティング手法として確立されていますが、デジタルマーケティングを構成する手段の1つでもあります。
デジタルマーケティングはなぜ重要なのか?
デジタルマーケティングという言葉が普及し始めた当初は、「IT業界のよくあるバズワード(一時的に流行する言葉)」だというという見解が強かったものの、現在ではIT業界のみならず、すべての業界・業種において重視されています。デジタルマーケティングはなぜ、そこまで重要なポジションを獲得したのでしょうか?
大きな背景としてまずあるのが「スマートフォンの普及」です。2013年、日経BPコンサルティングが行った調査によるとスマートフォンの普及率は28.2%となっています。一方、2019年におけるスマートフォン普及率は82.2%となっており、わずか6年間で3倍近く増加していることになります。
<引用>
日経BPコンサルティング「スマートフォンの国内普及率は28.2% "携帯・スマホ流通マネー"は4兆円を突破!」
ガベージニュース「スマートフォン所有率は82.2%にまで躍進(最新)」
スマートフォンが爆発的に普及したことで、ユーザーのデジタル上における行動は激変しました。好きな情報をいつでも大量に入手できるようになったユーザーは、従来のマスメディアの情報を鵜呑みにすることなく、自ら情報を調べ、自ら整理・評価し、自分にとって最適な商品やサービスを探すようになりました。
従って、デジタルマーケティングによってあらゆるデジタルチャネルからユーザーとの接点を作り、チャネルごとで最適な対話をすることにより、マーケティング効果を上げることの重要性が急増したのです。
デジタルマーケティングは今後も、我々ビジネスパーソンにとって欠かせない存在になっていきます。その中で、どういったマーケティング施策が最適なのかを常に模索しつつ、最新技術や最新情報にアンテナを張り、競合の一歩先を行くデジタルマーケティングを展開することこそが、現代ビジネスを勝ち抜くための糧になるかもしれません。
まとめ
いかがでしょうか。スマートフォンの普及は確実に一般消費者の行動を変化させてきました。この行動の変化は、マーケティング 施策にも大きく影響を及ぼし、様々な手法が新たに生まれてきています。
また、よりテクノロジーとの連携が密接になっている領域の一つでもあり、ビッグデータ活用やAIといった最新技術の活用もマーケティング 領域では積極的に行われています。
今後、一層デジタルビジネスを加速させたいと考えるBtoB企業の皆様も、新たなマーケティング手法やツールを検討されているのではないでしょうか。
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