企業の顔とも言えるWebサイトは、SEO対策や顧客獲得、売上向上など、目的達成のために重要な役割を担っています。そのようなWebサイトは「HTMLや画像ファイルなどの静的コンテンツ」と「リクエストに応じサーバで処理された結果を表示する動的コンテンツ」で構成されています。その中でも、「静的コンテンツ」は実際にはWebサイトの大半を占めています。企業によっては、数十万ファイルを管理しているところもあるでしょう。膨大な量の静的コンテンツを適切に管理するためにもCMSの導入は必要不可欠となっています。
エクサが取り扱っているCMS「OpenText TeamSite」は、CMSサーバとWebサーバが分離されており、主に静的コンテンツで構成されたWebサイトを、構造そのままに移行することができます。今回はこのTeamSiteへのコンテンツ移行について紹介します。
その課題、CMSで解決できます
Webサイトを運用していると、「数年前と比べてページ数が数倍に増えていた」「不要なコンテンツが本番サーバに残ったままになっていた」「リンク切れのページが多く存在していた」など、日々の運用で気づかないことが発生しています。Webサイトの運用パフォーマンスを向上させるためにも、CMSを導入することは非常に有用です。
エクサはこれまで、多くのお客様にCMSを導入して参りました。その度に、お客様のサイト管理について同じような悩みの相談を受けています。これらの課題は、すべてTeamSiteで解決できます。
まずはコンテンツ移行計画を立てましょう
TeamSiteの導入で最初に行うのが、既存のWebコンテンツをどのようにTeamSiteへ移行するか、計画を立案することです。ここでは、コンテンツ移行計画を立案するにあたっての検討ポイントを一部紹介します。
移行対象サイトの選別
現在管理しているサイトが複数ある場合、それらをすべてTeamSiteに移行するか、あるいは一部を移行するかを検討します。例えば、「コンテンツの更新頻度」や「サイト全体の規模」などを基に移行対象サイトを選別します。選別したら、サイト内に不要なコンテンツが無いか確認します。そうすることで、必要なコンテンツのみをTeamSiteに移行できますし、移行にかかる負担も軽減できます。
コンテンツ担当者の役割の明確化
Webサイトのコンテンツを複数メンバで運用していると、各自のPC内にコンテンツが散在してしまい、誰が、いつ、どのコンテンツを作成・更新したのかわからなくなります。TeamSiteでコンテンツを一元管理し、各コンテンツの担当者を明確にすることで、こういった課題を解決することができます。また、IR情報などの重要コンテンツは、特定の担当者以外扱えないようにすることで、社内のコンプライアンスを遵守することにも繋がります。
TeamSiteサーバの準備
TeamSiteサーバを準備します。TeamSiteのサポート要件に沿ったOSやスペックを検討します。コンテンツを格納するためのディスク容量は、将来増加するコンテンツやバージョン履歴情報を考慮し、移行するサイト全体の5~10倍を用意して頂くことを推奨しています。
コンテンツの移行方法の検討
TeamSiteにWebサーバのコンテンツをコピーする方法を検討します。コピーは、OSのコマンドやコピーツールで簡単に行うことができます。Windowsの場合はネットワーク共有によるコピー、Linuxの場合はrsyncやscpコマンドによるコピーで簡単に移行が可能です。なお、TeamSiteへの移行作業は現行業務と並行して作業を行うことから、「初回移行」「差分移行」「最終移行」といった形で複数回に分けて実施することを検討します。
以上の検討ポイントを考慮し、移行スケジュールや役割分担を決めて、移行計画を完成させます。
TeamSiteへのコンテンツ移行は簡単です
以上を踏まえますと、TeamSiteのコンテンツ移行の流れは以下のようになります。1つずつ見ていきましょう。
1.ユーザ・グループ作成
TeamSiteを利用するユーザとグループを作成します。ユーザは、コンテンツ制作者や承認者、TeamSiteの管理者を担当する方々になります。OSユーザを使用するのが基本ですが、LDAP等の外部ユーザを連携することも可能です。グループは、主にコンテンツ毎に割り当てるアクセス権限や、承認者などのメンバをグルーピングするために使用します。OSグループかTeamSiteグループのいずれかを使用することができます。OSグループを使用することで汎用性が高くなりますが、TeamSite用に特化したグループを用意したい場合はTeamSiteグループを使用することを推奨しています。
2.ブランチ・ワークエリア作成
TeamSiteでブランチとワークエリアを作成します。ブランチとはWebサイトのコンテンツや関係者を管理するための枠組みです。通常、1サイトにつき1ブランチを作成します。ワークエリアとはその名の通り作業エリアのことで、ユーザはワークエリア上でコンテンツの編集などを行います。複数ユーザで共用する場合はワークエリアを1つ作成しますが、ユーザ毎に作業エリアを用意する場合は、複数のワークエリアを作成することもできます。コンテンツ移行では、一時コピー場所としてワークエリアを作成することもあります。
3.コンテンツ初回コピー
本番リリース前に既存のコンテンツを使ってCMSでの運用ができるか確認をするために、公開サーバ(既存Webサイトをインターネットに公開しているサーバ)からコンテンツをコピーします。先に述べた通り、TeamSiteはサイト構造そのままにコンテンツをコピーすることができます。例えば、TeamSiteサーバと公開サーバがLinux同士の場合、rsyncコマンド1つでコピーが可能です。
※Windowsサーバ同士の場合も、ネットワーク共有によりコピーが可能です。
4.アクセス権設定
コンテンツに対しアクセス権設定をします。TeamSiteではユーザやグループ単位で各コンテンツに対しアクセス権を定義することができます。
5.ワークフロー・テンプレート適用
TeamSiteで管理するコンテンツは、制作者が作成・更新し、承認者が内容を確認後、インターネットに公開するのが一般的です。その仕組みをシステムとして提供するため、TeamSiteではワークフロー機能が用意されています。カスタマイズにより、業務に合わせたフローを定義することができます。また、コンテンツ作成の効率化のために、テンプレート機能も用意されています。
6.コンテンツ最終コピー
アクセス権設定やワークフロー・テンプレートを適用し、CMS運用ができる準備が整ったら、本番リリースに向けた最後のコンテンツコピーを行います。手順は「3.コンテンツ初回コピー」と同様です。
まとめ
Webサイトの多くを占める静的コンテンツを簡単に移行できる製品として、TeamSiteにはそのメリットが十分に備わっています。その導入においては、1つ1つの作業に対して事前に計画をたてて安全・確実に進めることが重要となります。
エクサでは、コンテンツ移行を含め、TeamSiteの導入をトータルにご支援しており、多数のお客様への実績があります。TeamSiteの導入をご検討中の方は、是非この機会にお声がけ頂ければ幸いです。