本記事では在宅勤務時代における顧客の購買行動の変化を踏まえ、企業と顧客の接点の変化、その変化に対応するために必要となる企業の対応について紹介します。2020年に世界を一変させたコロナ禍、その対策としてテレワーク、e-Workが当たり前の世界になってきました。この状況で購買行動、顧客接点がどのようにかわり、企業側としてどのような対応が必要になるかについて参考になればと思います。
顧客接点とは何か?
まず始めに、「顧客接点」についてあらためて整理しましょう。顧客接点とは文字通り企業と顧客の接点となるタッチポイント(チャネル)のことで、かつては、営業マンが顧客を直接訪問し、企業の商品を紹介すること、その場面、その機会のことでした。また、テレビCM、広告、商品カタログなどマーケティングとして企業が打っている施策による顧客への情報提供や、リアル店舗来店時の顧客対話などは従来からある顧客接点と言えます。一方、BtoCのECサイトのように営業マンを介さずに消費者が直接Web経由で商品を購入するような場合は、ECサイトそのものが顧客接点といえます。ITやその利用手法が拡がったことで、昨今ではモバイルデバイスへのプッシュ配信、デジタル広告、SNSなど、顧客接点は多様化し進化を続けています。
オムニチャネルという言葉が登場し、各企業が様々な対応を試みたことも記憶に残っているかと思います。オムニチャネルとは、企業と顧客の様々な接点(チャネル)を統合的に連携させた顧客アプローチ戦略のことです。例えば、顧客のWebサイトへのアクセスや閲覧履歴、リアル店舗への来店情報を把握・分析し、個別の顧客へおすすめの商品情報を配信したり、ECサイトで購入したものをリアル店舗で受け取ることができるようにしたりする戦略、その仕組みがオムニチャネルです。オムニチャネルの実現により顧客の購買体験が多様化され、顧客満足度が向上し、売上向上が狙えます。
顧客接点が、企業にとって売上向上につながる重要なポイントとなることがご理解いただけたのではないでしょうか。
顧客接点がどう変わったのか?
顧客接点とは?についてはこのぐらいにし、ここからは、withコロナ、afterコロナを見据えなければならない今、働き方の変化、新しい生活様式の影響を踏まえた顧客接点の変化について考えてみます。
2020年4月、日本国内でも新型コロナウィルスの猛威に対抗すべくその感染対策としてテレワーク、在宅勤務へのシフトが始まりました。当社でも2020年4月から原則在宅勤務となり、社員の自宅での勤務が主流となりました。現時点(2020年6月中旬)でその状態が既に2か月を超えています。
さて、この在宅勤務時代において顧客接点はどのように変化したのでしょうか。
まず最初に私自身も含めた個人的な状況変化から考えてみます。在宅勤務が始まってからの2か月間、今まで毎日利用していた通勤電車には一度も乗ることがなく、また、週2,3回(多すぎ?)は必ず行っていたリアル店舗での外食(正確には飲み会!)も一切なくなってしまいました。顧客接点という視点から考えると、通勤電車内での吊り広告、車内ビジョン(車両ドア上のテレビ広告)、駅の広告看板など一切触れることがなくなりました。また、外食などの店舗入店もなくなったため、いつもはそこで目にしていた広告・宣伝の類も見ることがなくなりました。2019年までは考えもしなかった生活様式の変化は広告・マーケティングという業界に大きな影響をあたえているのではないかと思います。
そして、企業側にとってもこの変化は明確です。従来まで顧客接点の要であった営業マンまでもが在宅勤務を強いられているため、顧客への訪問もできず、オンラインでのテレビ会議で顧客と対話しています。自社の商品・ソリューションについての十分に理解できている営業マンであればオンラインの対話でも満足のいく顧客接点になりますが、そこまでの準備ができていた企業は少ないかもしれません。
デジタル化時代と言われていた昨今ですが、コロナ禍による変化はあまりにも急激で、顧客接点の変化に企業も顧客も個人も完全に対応してきれていないのが現状です。
これからの顧客接点に必要なものは?
それではこれからの顧客接点に必要なものは何でしょうか。
これからの顧客接点は、より"個客"に寄り添う接点へ変化する必要があると思います。"個客"という言葉は既に何年も前から使われている言葉ではありますが、在宅勤務時代の今にまさにマッチする言葉です。一人一人の"個客"向けにカスタマイズされた情報配信、それを受け取る事による"個客"体験が、このコロナ禍の暗い情勢を打破してくれるはずです。
在宅勤務に突入したとたん、Webinarやバーチャルイベントの告知メールがやたらと届き始めていると感じている人も多いかと思います。これも新しい顧客接点の一つの形ですが、自分の興味がある分野のイベントではない場合はちょっとうるさく感じてしまいますよね。(すみません!当社もご多分に漏れず、Webinarにバーチャルイベントに便乗しています!)
変化する顧客接点にマッチした活動をすること、それらを見極める力が企業側にも個客側にも必要となります。
顧客接点で一番重要なものは?
最後にこの時代における顧客接点で一番重要となることについてお話しします。
顧客接点自体は大きく変化しても、どの顧客接点においても、自社の「商品」の情報が基本であり、それらが適切に整理・管理され、お客様に届けられていること、これが一番重要ではないでしょうか。"個客"へのカスタマイズされた情報配信をするためにも、自社の商品情報の適切な管理、が絶対条件となります。"個客"は企業が提供する商品情報をもとに購入行動を起こします。もちろんSNSなどのソーシャルな情報やニュースサイト、口コミなども参考にしますが、メーカーや販社が提供する商品の情報は、購入を判断するために必要不可欠なものです。
また、企業側のマーケティングやプロモーション、売上分析を行う上でも、自社の商品情報が適切に管理されていることが重要です。これらの活動には、例えば、商品カテゴリーなどの商品を体系化する情報、購入された商品やお気に入り登録された商品を軸とした分析が必要になるからです。
PIMソリューションで顧客接点を支える!
激変する環境の中、変化する顧客接点を上手に活用し、顧客満足度を向上させるためには企業がもつ情報を適切に管理し、タイムリーに配信することが重要です。企業が持つ情報でもっとも重要なものは言わずと知れた商品情報です。そして、商品情報を管理する仕組みとしておすすめしたいのが「商品情報管理(PIM) ソリューション」です。
例えば製造業における商品情報は製造過程で多くの型番やシリーズが発生します。これが販売のフェーズになると、商品情報はさらに複雑化し、また、価格情報も代理店・販売店などによって変わります。PIMソリューションは、これら販売のための商品の情報を一元的に管理し配信するためのソリューションで、大きく変化し続ける顧客接点への柔軟な対応を可能とするものです。
エクサでは、PIMソリューションにより皆様のデジタルトランスフォーメーションをご支援します。