Webサイトの構築および管理をするためにはHTMLやCSSなどの知識・技術が必要であり、Webサイトの構造を理解している必要があります。そうした専門的な知識や技術を持たずとも、Webサイトの構築やコンテンツ配信を可能にするのがコンテンツ管理システム(Content Management System)です。
近年では、テンプレートを選択して画像をドラッグ&ドロップするだけで簡単にWebサイトを作成できるサービスも登場し、Webサイト構築・管理にコンテンツ管理システムを活用することが当たり前になっています。しかし、一口にコンテンツ管理システムといってもさまざまな製品・サービスがありますし、それぞれに異なる特徴があります。
本稿では、これからコンテンツ管理システムを導入する担当者が迷わないように、コンテンツ管理システムの基本を整理して、システムに求められる要件について解説しています。是非、参考にしてください。
コンテンツ管理システムの役割
Webサイトには、構築に必要なソースコードと独自ドメイン、それとWebサイトを構成するテキストや画像があれば十分なのでは?と考える方も多いでしょう。実際にそれだけでもWebサイトは構築できますが、持続的にコンテンツを配信し、管理するためには、やはりコンテンツ管理システムが欠かせません。まずは、コンテンツ管理システムの役割について整理していきます。
1. Webサイトデザインの一貫性を保つ
実は、Webサイトに掲載している各コンテンツのデザインを統一することは簡単なことではありません。手作業で管理することを考えると、かなりの労力を有します。特にWebサイトデザインを一新した際は、コンテンツごとに対応が必要になるため、1,000も2,000もコンテンツを管理している環境では現実的ではないでしょう。
一方、コンテンツ管理システムを活用している環境ではWebサイトのデザインを一新しても、コンテンツごとにデザインが反映されるため、そこにかかる労力を大幅に削減できます。苦労なくWebサイトデザインの一貫性が保てるため、Webサイト運営がグッと楽になります。
2. ノンコーディングでWebサイトを構築する
コンテンツ管理システムの中にはテンプレートを選択して画像をドラッグ&ドロップしたり、デザインを組み立てるようにアプリケーションを操作したりするだけでWebサイトを構築できるものがあります。通常、Webサイト構築ではHTMLやCSSなどの言語でコーディングを施す必要がありますが、コンテンツ管理システムならノンコーディングでこれを実現できます。
Webサイトのデザインを変更する場合でもノンコーディングで実施できるため、素早く構築したりデザインを変更することが可能です。
3. Webサイトの運営を分業できる
コンテンツ管理システムがない環境では、たった1人の担当者だけでWebサイトを運営しないとWebサイトの一貫性を保つことは難しく、分業体制が取れません。負担が一点に集中することで作業効率は劇的に下がることもあり、最適な運営方法とは言えないでしょう。
理想は複数の担当者で分業体制を取ることです。コンテンツを作る人、コンテンツを承認・更新する人、Webサイトデザインを管理する人などなど、分業体制を取ることでWebサイト運営を効率的に行い、そこから得られるビジネス効果を高めることができます。コンテンツ管理システムを導入すれば、この分業体制を取ることができます。
4. SEO効果がある
SEO(Search Engine Optimization)とは、Webサイトに掲載しているコンテンツの検索結果順位を上位にするための対策です。キーワード設定を意識したり、より有益なコンテンツに仕上げたり、対策方法は無数にあります。実は、Webサイトの構成もSEOに大きく関係しています。
多くのコンテンツ管理システムは検索エンジンが推奨するWebサイトの構造を簡単に取り入れることができるため、Webサイトの全体の評価が上がりSEO効果が期待できます。
コンテンツ管理システムに求められる機能要件とは?
コンテンツ管理システムの基本について整理したところで、コンテンツ管理システムに求められる機能要件についてまとめていきます。以下の機能要件を基本としてコンテンツ管理システムを選定すると、より良い環境が整えられます。
①テンプレート活用
多くのコンテンツ管理システムではWebサイトデザインのテンプレートが用意されています。中にはテンプレートを提供していない製品もありますが、やはりテンプレートが提供されている方が素早くWebサイトを構築できますし、好きな時にデザインの一新ができます。
②SNS連携
コンテンツマーケティングでは検索エンジンからの流入を狙うのが基本ですが、最近ではSNSを活用してコンテンツ配信を行うことで、Webサイトへの流入を計画するケースが多くなっています。FacebookやInstagramなど、SNSユーザーは年々増えているため、コンテンツマーケティングの大きなプラットフォームになります。コンテンツ管理システムとしてSNS連携機能を持っていると、少ない労力でSNSを対象にしたコンテンツマーケティングも実施できます。
③ スマートフォン対応
現代のネットユーザーは、パソコンを使用する人よりもスマートフォンを使用する人の方が多くなっています。インターネット上で提供されるコンテンツやサービスの多くはスマートフォンユーザーも視野に入れており、特にWebサイトではレスポンシブデザインを取り入れるケースが多いでしょう。
④SEO関連機能
title、description、keywords、h1などSEOとして欠かせないタグを編集画面上で簡単に設定できるなど、SEO関連機能が豊富なコンテンツ管理システムが増えています。SEOはWebサイト運営の基本ですので、コンテンツ管理システムに絶対欲しい機能の1つです
⑤ECサイト管理
Eコマース市場は年々拡大傾向にあり、ほとんどの小売店様はECサイトを構築しています。最近ではコンテンツマーケティングをECサイトに取り入れるケースも多く、WebサイトとECサイトとの連携性が重視されています。
⑥ワークフロー設定
Webサイト運営体制が複数人で行われている場合、ワークフロー設定機能が必要になります。適切なワークフローをコンテンツ管理システム上で回せるようにすることで、効率的にコンテンツの作成・承認等が行えます。
⑦A/Bテスト
A/Bテストは類似した2つのコンテンツを同時に配信して、どちらの方が集客効果に優れているかを確認するためのテストです。コンテンツ管理システムの中にはA/Bテストに限らず、いくつかの検証機能が搭載されていることもあります。
まとめ
いかがでしょうか?コンテンツ管理システムに求められる機能要件は決して多くはありませんが、いずれも重要なものばかりです。これを基本として、独自の機能要件を作り、環境に適したコンテンツ管理システムを選択しましょう。
エクサでは、長期にわたりコンテンツ管理システムのソリューションを取り扱っており、数多くの構築実績を保有しております。コンテンツ管理システムをご検討の際は、是非、お声がけいただければと思います。