Webサイトを利用してビジネスを行っていると、あるタイミングで必ずリニューアルの必要性が出てきます。
-
製品のラインナップが変更されてしまった
-
デザインが古臭く感じられる
-
問い合わせ件数が思うように上がらない
-
Webサイトマーケティングにより力を入れたい
など、それぞれ理由は様々です。いずれのケースでも共通して言えることは「せっかくリニューアルするなら、以前よりもデザイン的に優れていたり、効果を最大限に引き出せたりするWebサイトを制作したい」という思いがあることです。
実は、Webサイトリニューアルは決して簡単なものではなく、いくつかのポイントを押さえなければ、結局は数年経過すると同じ課題に再度直面してしまうことになります。最悪の場合、リニューアル前の方が良かった!ということも起こりえます。
そこで本稿では、特にBtoB企業の皆様が抱えるテーマや課題を中心に、Webサイトリニューアルで失敗しないために注意すべきポイントをご紹介します。リニューアルに不安を感じている、どう取り組めば分からない、という方はぜひ参考にしてください。
失敗しないWebサイトリニューアルのポイント
Webサイトリニューアルに対して、最も難しく判断に悩む点は、どこまで作り替えるのか?と言う点です。完全に新しいサイトとしてフルリニューアルする覚悟で挑むのか、不具合や不便な点を改善する点にフォーカスした部分リニューアルに留めるのかの判断が必要です。
多くの場合、コストやスケジュール、体制などを考慮し、どの程度の規模でリニューアルができるかが決まってきます。しかし、いくらコストを小額に抑えたいとは言え、効果が上がらないリニューアルでは時間の無駄になってしまいます。
そうした状況に陥らないためにも、本稿でご紹介するWebサイトリニューアルのポイントを押さえておきましょう。
現状分析とリニューアルのコンセプトを決める
「現行のWebサイトの問題点は何か?」これをハッキリさせることが、Webサイトリニューアルを失敗させないための第一歩になります。デザイン、アクセス数、問い合わせ件数、売上、機能など、様々な観点で現行のWebサイトの問題点や改善点を整理することから始めましょう。その際に、Googleアナリティクスなどを利用し、一定期間のデータを用いて因果関係を分析したり、月間集客数や直帰率の改善など、KPIとなる目標を設定します。これは、目的の共有やリニューアル後の効果測定などにも便利です。
Googleアナリティクスは、多くのWebサイトで利用されているツールの1つで、Google社が提供する無料のWebサイト解析ツールです。現行のWebサイトに取り入れることで、アクセス数やユーザの詳細な傾向などを知ることができます。これまでGoogleアナリティクスを活用してこなかった会社では、Webサイトリニューアルを機に導入してWebサイト解析してみると、今まで見えてこなかった様々な情報を知ることができます。意外と今まで見る機会がなかったという方も多いと思います。リニューアルを検討する段階で、改めてアクセス数などのデータを見直すことで新たな発見があるかもしれません。
こうしたツールを活用しながら現行のWebサイトの問題点を把握し、リニューアル後のWebサイトのコンセプトを固めていきます。これがWebサイトリニューアル全体を通した基盤になり、より良いリニューアルのためには欠かせないプロセスとなります。
Webサイトリニューアルのゴールを決める
Webサイトリニューアルにはコンセプトだけでなく、目的やゴールを正しく設定することも非常に大切です。現在のサイトが数年前に構築されたものである場合、おそらくは当時の目的と現在のニーズには大きな乖離が生じています。これは、止むを得ない事象でもあり、デバイスの変化やWebテクノロジの変化、さらには、顧客の購買行動の変化に伴うウェブサイトに求められる役割が大きく変化するために起こりうる事象といえます。
そのため、現在のサイトの課題に目を向けるだけではなく、参考となる他のWebサイトや競合他社がどのような取り組みをしているか、などの視点できちんとベンチマークを行う必要があります。
これらの整理に基づき、自社が定めたリニューアルコンセプトに対する適切なゴールを設定することで、目的にマッチしたリニューアル計画を作成することができます。
また、その際に意識したいのが「KPI」という指標です。いくつかの細かい指標をKPIとして決めることで、最終的なゴールを達成するための進捗確認などに使うことができるようになります。たとえば「問い合わせ件数の向上」がWebサイトリニューアルのゴールならば、「問い合わせページの離脱率低減」「狙った検索キーワードからの流入数増加」などがKPIの指標となります。
Webサイトリニューアルを依頼する制作会社を選ぶ
Webサイトリニューアルのコンセプトとゴールが決定したら、いよいよリニューアルを依頼する制作会社を選びます。ここで注意したいポイントは、「Webサイトの制作コスト」にだけ目を向けてしまい、「継続して運用改善していくコスト」を見逃してしまう点です。
前述した通り、ウェブサイトの役割は徐々にビジネスへの直接的な貢献に変わりつつあります。つまり、コンセプトやゴール設定を行い、それを実現するための運用体制や効率的な実行手段を確保しておかなければ、ウェブサイトを維持管理することが難しくなるということです。
多額のコストを制作会社のために用意するのではなく、「ある程度自営できること」、または自営できないとしても「自社の意図や考えを理解して、運用・改善を一任できること」が重要となり、制作会社としてではなく言わばビジネスパートナー的な関係構築ができるかが選択のポイントになってきます。
そのためには、ウェブサイト自体の構築は当然のこと、各種ツールの選定や運用、社内にある情報資産を効果的に活用できるプラットフォームとしての役割などまでをも意識したウェブサイト環境を構築・運用できるパートナーであることが制作会社にも求められています。
制作会社ごとの得意分野を把握し、Webサイトリニューアルのコンセプトやゴールを共有し、双方が違和感なくプロジェクトチームとしての関係を持つことが重要となります。単純なリニューアル費用にとらわれず、良きパートナーとして制作会社を選ぶ方が結果的に費用対効果が高いWebサイトが完成します。
共同でプランニングを行う
Webサイトリニューアルを依頼する制作会社を選んだら、リニューアルのプランニングは共同で行います。主にプランニングするのは「KPI達成のための戦略」「サーバー、ドメイン、システムの見直し」「コンテンツ構成」「新しいサイトマップ」「EFO(入力フォームの最適化)」などです。当然SEO/SEM(Search Engine Marketing)の観点も考慮してWeb構造をデザインする必要があります。
プランニング後は、最終的な見積もりや制作会社との役割分担を明確にし、依頼する項目をくまなくチェックします。この際に制作会社の技量や特性を正しく見極めることが大切です。例えば、作業スコープとスケジュールは相反する関係になりやすいため、希望納期の設定も、複数フェーズに分けて段階リリースするなどの無理のない作業項目とスケジュールを制作会社と共同で検討し決定します。
デジタルビジネスプラットフォームと位置付ける
プロジェクトがスタートし、プランニングから制作の工程に入る前段階で、どのようなシステム構成とするか、システム要件を定義します。
Webサイトは顧客との接触ポイントとして重要な役割を担います。そのため、正確な情報が正しく提供されることは当然のこととして、デジタルビジネスの接点として機能する必要があります。
多くのBtoB企業では、旧来のWebサイトの役割は製品概要や会社概要などの掲載に止まっているかと思いますが、Webサイトに訪問してくる潜在顧客はそれ以上の情報や機能をWebサイトに求めてきます。
-
求めている情報に素早く適切にたどり着ける
-
提供される情報が必要かつ十分であり、制作検討段階のニーズを満たしている
-
問い合わせや試供品の申し込み依頼などのアクションがスムーズに提示される
-
複雑な構成や関連する情報などをわかりやすくガイドしてくれる
これら利用者目線に立った場合、ウェブサイトで実装しなければいけない機能の多くは、営業や保守といった業務支援に近い役割を持つこととなります。
一方で、ウェブサイトを管理する立場に立った場合、取り扱う情報が格段に増える上に、新たな目標やKPIなどのゴールが設定され、従来の体制だけでは賄いきれない事態が発生します。
そこで、「デジタルビジネスプラットフォーム」として、ビジネスに直結させたウェブサイトを少ない人員でも効果的に運営する仕組みが求められます。
Webサイトリニューアル成功のポイント
Webサイトのリニューアルを決断した場合、 リニューアル作業単体で終わるプロジェクトでなく、継続して改善する環境を構築することが成果をあげる唯一の方法となります。
その中で重要なポイントが、デジタルコンテンツとデータの活用に集約されます。
そのため各種ツールの選定は成功の鍵を握っています。
-
CMS機能をフル活用してWebの改修作業を効率化する
-
商品情報管理システムに代表されるデータ連携基盤を構築してデジタルコンテンツを最大活用する
-
トラッキングツールを使用して、顧客行動を正確に補足、KPIを正しく測定して対応策を決定する
いかがでしょうか、Webサイトをリニューアルするきっかけは各企業様々な理由によると思います。ただ、せっかくリニューアルを検討するのであれば、成果をあげることを目的にプロジェクトを立ち上げてみてはいかがでしょうか。
エクサでは、「デジタル時代に求められるビジネス基盤」を基本コンセプトに、多くのBtoB企業の皆様をご支援しています。
また、どのようにプロジェクトを進めたら良いのかわからないお客様向けに、専門のコンサルティングが「現状のアセスメント」から「企画・構想の立案」「ワークショップ」「選定製品のPoC支援」まで幅広くプロジェクトをご支援します。
是非お気軽にお声がけください。