Webコンテンツとは?意外と知らない種類と役割
ビジネスの世界においてWebサイトの果たす役割は日々大きくなり、Web担当者に限らず、営業部門や製品開発部門でも「Webコンテンツ」という言葉を見聞きすることが多くなりました。なんとなく口にしている「Webコンテンツ」ですが、実はその目的や用途によって特性が異なります。
そこで、本記事では知っているようで意外と知らないWebコンテンツの種類と役割について説明します。
Webコンテンツとは?
コンテンツ(Contents, Content)は日本語で「中身」「内容」「目的」といった意味を持つ言葉で、少し抽象的なものです。このためWebコンテンツ自体も曖昧な表現を含んでおり、実は特定のモノを指すわけではありません。いわば、「インターネット上に掲載されている情報すべて」がWebコンテンツに該当します。
一般的には製品情報やサービス紹介など、Webページ掲載される情報(テキスト、画像、動画)などをまとめてWebコンテンツと呼ぶことが多いものの、実際にはGoogle検索等の検索結果画面に表示されるリスティング広告やWebサイトに表示される小さなバナー広告なども含めて、すべてWebコンテンツです。どんなに短いテキストや動画であったとしても、インターネット上で公開されている限りそれはWebコンテンツに該当します。
Webコンテンツの目的
Webコンテンツが指す意味は少し抽象的ですが、それらを作成する目的から考えると分かりやすくなります。以下に、ビジネスシーンを想定したWebコンテンツの目的を整理します。
企業としての技術・知識をアピールする
企業ブログを運営して技術系・知識系のWebコンテンツを積極的に発信することで、外部から「この会社にはしっかりとした技術・知識がある」と評価をもらえます。それは企業価値を高める施策になり、このような企業情報を充実させることは来訪者の信頼獲得につながるため、見込み客の創出にも重要な役割を持ちます。
商品・サービスを幅広く知ってもらう
今や、商品・サービスを世界中に認知拡大するための媒体としてWebコンテンツ以上に強力なものはありません。多くの人々は情報源をインターネットに依存しており、情報収集の必要性が生じれば新聞や雑誌を確認するよりも、すぐにインターネット上で検索することからはじめます。当然のことながら情報の正確さが重要で、入れ替わりが早い製品や仕様や諸元など細分化された情報も適切に管理する必要があります。
ブランディングによるロイヤリティ向上
ブランド色を前面に出し、クリエイティブなWebコンテンツを発信し続けて世間から高い評価を受ける企業もあります。Webコンテンツを介したブランディングはターゲット層のロイヤリティ向上(企業・商品・サービスに対する好感度を高めること)の効果が高く、SNSとの相性も良いため拡散性もあります。来訪者がすぐ離脱しないように、インパクトを強め、動画コンテンツをうまく活用するなど、惹きつける仕組みが重要になります。
見込み客の創出(リードジェネレーション)
広告活用やソーシャル投稿、SEO対策による検索結果の上位表示など、様々な施策によりWebサイトへの来訪者を増やしていきます。その結果として情報を提供するだけにおわらず、見込み客につながる来訪者の獲得(見込み客の創出)ができます。
Webサイトは、今まで未開拓だったターゲット層へのアプローチも可能となるため、潜在顧客から見込み客を創出する手段として最も有効なツールと言えます。多くの企業がWebコンテンツを通じて日々新しい企業・消費者との接点を作り、見込み客創出に成功しています。
ここでは初回のコンバージョンになるため、関心を引きやすいテーマや課題解決のポイントなど、魅力的なオファーを用意する必要があります。
見込み客の育成(リードナーチャリング)
Webコンテンツを通じて創出した見込み客の購買意欲は、さらにWebコンテンツを通じて成熟させられます。企業は見込み客が求めている情報を、さまざまなWebコンテンツを介して提供することで見込み客の背中を後押しします。
見込み客の立場になって検討プロセスにマッチしたフローを組み立てることで、「育成(ナーチャリング)」が進みます。そのため、対象となる見込み客の属性(経営者かシステム担当者か、など)や興味範囲などからセグメントを分けて実施するとより効果が高まります。
Webコンテンツの種類
では、Webコンテンツにはどういった種類があるのでしょうか。媒体としての種類はテキスト記事、画像、動画、広告などがあると説明しました。ここでは、Webコンテンツを発信するにあたっての種類に着目して整理します。
単発型(ビッグキーワード)
1つのテーマやコンセプトについて情報を発信したWebコンテンツです。特集的な位置づけであり、掲載しているWebサイト等の知名度を上げる目的で作成されます。ただし、時事性が高いので集客効果は一時的なものが多くなるため、本来の狙いとマッチしたコンセプトから選択することが重要です。
継続型(連載コンテンツ)
いわゆる連載系のWebコンテンツであり、Webサイト訪問者に継続して訪れてもらうことを目的としています。ファンやリピーターを創出するのにも効果的です。Webサイトに掲載するテキスト記事だけでなく、定期的に配信するメルマガやブログ購読案内なども再来訪を促進する手段の一つとなります。
追記型(コンテンツの更新)
すでに公開されているWebコンテンツに対して新しい情報や、誤った情報の訂正を付け加えます。追記した日時を記載しておくと信頼性も高くなり、Webコンテンツの価値が高まる可能性があります。
とくに法律や規制など毎年改定されるものは、正しく記載内容が見直されていることが重要とされ、来訪者に対して混乱を未然に防ぐ意味でも適宜見直しを行う必要があります。
インタビュー型(事例など)
ソフトウェア製品等を導入していただいた顧客企業に対し、事例インタビューを行ってそれをWebコンテンツとしてまとめます。また、業界の著名人にインタビューを実施して最新情報など訪問者に役立つ情報をまとめたものもあります。
単に製品のセールスポイントを列挙した内容にせず、どのようにプロジェクトを進めたのか、実際に期待通りの効果は上がっているのかなど、顧客目線でのコンテンツに仕立てることで読了率もあがり、自ずと製品やサービスへの関心も高まります。
持続型(ロングテール)
難しい分野におけるノウハウや技術・知識について詳細に記したWebコンテンツです。基礎的な内容なので流行りに左右されにくく、長期にわたって安定したアクセス数が期待できます。また、製品やサービスの情報発信に捉われるのではなく、顧客にとって関心が高いテーマを選び出して解説することで、企業に対する信頼感やソリューションへの関心につなげる効果も期待できます。
強調スニペット(Google検索結果画面の最上部に強調して表示される仕組み)として検索ランクの格付けをもらうと、最上位に表示されるメリットとして自然検索で長く集客力をあげていくために必要なコンテンツとなります。
まとめ
Webコンテンツの種類は豊富です。媒体としての種類、発信にあたっての種類など、Webコンテンツごとの特性を意識しながらマーケティング活動に取り組むことで、ひとつひとつのWebコンテンツの価値や効果が高まります。
これらの種類や役割を意識しながら、Webサイト全体の構造も見直すことで効果が高まります。逆に全体の基本コンセプトを決めずに、ソリューション単位に好き勝手にWebコンテンツを配置してしまうと、サイト全体のまとまりがなくなるばかりか、Web来訪者にとってもわかりにくく、すぐに離反してしまう結果にもなりかねません。
時間はかかってもじっくりと育てていくことが結局は目的に達する近道になりますので、コンテンツの持つ役割をきっちり理解しながら、Webサイトの見直しを進めてみてください。
エクサでは、多くのBtoB企業の皆様のデジタルトランスフォーメーションをご支援しています。その経験や専門のコンサルティングにより、システム選定や導入前の構想策定の段階からお客様をご支援します。
ぜひ、お気軽にご相談ください。