エクサが提供する「共創ワークショップ」とは?
エクサでは複雑で不確実な案件を手がける際に「共創ワークショップ」を活用しています。「共創ワークショップ」とは「共に」「創る」の言葉どおり、事業やサービスを展開するお客様と、システム開発を得意とするエクサが、共に解くべき課題を見出し、様々な方法で解決策を考え、それらをツールやサービスとして開発していくための手法です。
「共創ワークショップ」という言葉はあまり一般的な用語ではありませんがどういったものかイメージはわきますでしょうか?従来型のシステム開発であれば、まずは要件定義があり、それに基づいて規定どおりの開発を行う形式や、コンサルタントが業務分析を行い的確なアドバイスや提案とともに開発を進める形式など、それぞれの役目がはっきりと分かれていました。
一方、「共創ワークショップ」は、米国発の、ものづくりのための考え方である「デザイン思考(※1)」に基づいた手法「デザインスプリント(※2)」を取り入れたものです。関係する企業やステークホルダー、専門家が参加し「共に」必要なものを「創る」ために議論し、進むべき道、作るべきものを全員で考え、合意のもとに進める方法です。エクサでは細かな点で日本企業に向けた調整を行い、短時間で成果が得られる工夫をしています。
お客様 x エクサ x 専門家で実施する「共創ワークショップ」
※1 デザイン思考:Design Thinking。サービスや製品の利用者に共感し理解し、試作品を作り検証することで、優れたサービスや製品を生み出すための問題解決の考え方。
※2 デザインスプリント:Googleのスタートアップ支援組織 Google Ventures(現GV)から始まり世界的に広がっている手法。個々人がアイデアを考えてから持ち寄って議論する点、制限時間を設ける点など短時間でも成果が得られるよう工夫されている最新手法
「共創ワークショップ」が重要視される背景は?
「共創ワークショップ」の目的は、お客様にとって一番良い方法は何であるのかをスムーズに導きだすことです。ITベンダーやコンサルタントがなにか特定のツールやシステムを押し付けるものではありません。その業務のこと、その仕事のことを一番理解し、毎日そのことを考えているのはお客様自身です。そのお客様が普段から考えていること、悩んでいること、困っていることをうまく整理し、解くべき課題を見出し、そこから複数の解決策を導き出す作業を実施します。
このような「共創」が重要視される背景としては次のような要素があります。
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「こういうものを作ってくれ!」という要件定義を待っている時代ではなくなった
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複雑で変化が早い世の中のため、過去の経験や知見があてにならない
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業務のことはお客様自身が一番詳しく、理解している
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多様な人材、経験、事例を集め、複数の切り口での解決策を導き出したい
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システムの押し付けではなく、現場の人々の納得感のある施策、ツールを導入したい
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システム開発を丸投げするようなことは無くなり、内製化が進んでいる
「共創ワークショップ」では、現場で働く人、開発に携わる人など、できるだけ多種多様な人を集めて実施されます。短くて数時間から長くて数日、ひとつの場所に集まり、思考したり議論したりする作業を集中して行います。普段の仕事とは切り離されたところで、仕事を俯瞰して見つめ直すことで、いままでぼんやりとしか認識していなかった解くべき課題が面白いくらい次々と見出され、整理されていきます。
「共創ワークショップ」は新規案件や既存案件改善のために採用されるだけではなく、新規事業検討、業務改善・改革のための施策検討などの段階においても採用いただき、高評価をいただいています。以下に実際に「共創ワークショップ」を実践したお客様のご評価の一部を記載します。
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医薬品販売業:従来当たり前だと考えていた業務が、実はとても無駄で効率が悪いものだとわかり、その部分をデジタル化するだけで全体の効率が向上し、従業員のストレスも減り、結束も高まった
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スタートアップ企業:何をやるべきか、何から手をつけるべきか、あまりにも複雑すぎてわからなかったことを、それぞれの立場ごとに時系列で整理することで、とても明快に解くべき課題を整理することができ、新規事業を先に進めることができた
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大手企業の研究開発部門:多様な人々がそれぞれの立場で要望や要求を言っている中で、何を優先すべきなのかをはっきりと導き出すことができた。様々な雑務をデジタル化することで本来の仕事である研究開発に集中することができ、結果的に社員満足度も向上した
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製造業:今までボトルネックだと考えていた事柄に複数の解決策を見出すことができ、効率的にもコスト的にも価値のある施策を導き出すことができた。なによりも部署間のしがらみを解消し、現場のことを第一に考えられるようになった
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大手IT企業:もうこれ以上改善する余地が無いと思っていたサービスにもまだまだ改善の切り口や、不備が残っていることがまざまざと浮かび上がり、対策が組めた。いままで惰性的に使っていた予算を有効に活用することができるようになった
在宅勤務でもデジタルビジネスを止めない工夫とは?
2020年4月頃から新型コロナウイルス対応の影響で多くの業種で在宅勤務が続いています。「共創ワークショップ」もインターネットを活用し、オンラインで実施する方法をとっています。通常は対面で実施されるミーティング、対面でのワークショップを全てオンラインで実施するためには様々な工夫を要します。ここで紹介する手法は、ワークショップに限らず、オンライン会議における工夫としても役立つでしょう。エクサでは全社的に Google G Suite を導入しており社内のワークショップにはビデオ会議Google Meet、オンラインホワイトボード Google Jamboard を最大限活用しています。Jamboardはホワイトボードにメモを書き込み、ポストイットを貼る代替として使えるとても平易なオンラインツールです。初めての人でも5分程度試しに使ってみるだけで習熟できます。また、オンライでのワークショップはツールに限定されるものでもありません。お客様環境に応じて(セキュリティ設定に配慮した)ZoomやMiro, Mural, Slack, Discord, Remoといったツールを活用して実施しています。
ワークショップ・会議をオンラインで実施する際の工夫
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オンラインツール上で、枠組みや見本、リハーサルなど十分な準備をしておく
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ビデオ会議、オンラインホワイトボードなどのツールを「練習」する時間をつくる。「使えます!」と言うひとも実際の習熟度はさまざま
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ビデオ会議用のマイクとカメラを整える。ビデオ会議で顔を出してコミュニケーションすることで細かなニュアンスがある程度伝わる
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同意のうなずきや、否定の首振りなど、いつも以上に大げさに手振り身振りを加える
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対面で実施する以上に時間がかかるので、余裕を持っておく。対面の1.5倍程度時間がかかると考えておくと良い
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対面で実施する以上に疲れるので、疲れる前に休憩する。休憩する際は区切りがついたところで休むのではなく、作業途中で休むと次に再開しやすい
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仕事や案件にまつわる「雑談」をする時間を作り、なにげない話しから細かい意図や考えなどを共有する
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発言タイミングを逃さないよう、毎回同じ順番で順繰りに全員発言する。または発言があることを示す紙やハンドサインを用意しておく
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ビデオ通話に頼りすぎず、文字やチャットで書き残す
オンラインでの実施は、一見デメリットが多いように思われますが、工夫次第でメリット面を強化することもできます。例えばオンライン上に必ず記録が残ること、遠隔地にいるメンバーも気軽に参画できること、議論が得意な人に意見が引っ張られることなく皆が意見を伝えることができること、必要とするテーマに集中せざるを得ないなどといったことです。
DX(デジタルトランスフォーメーション)の浸透はもとより、新型コロナウイルス対策の外出自粛によって、いままで普通に行われていた業務が見直されるきっかけとなりました。従来デジタルビジネスとして扱うのは難しい、無理だ、前例が無いと言われていた業務も、工夫しながらデジタル化、オンライン化しなければいけない状況になってしまったのです。
現代はVUCA 「Volatility(変動)、Uncertainty(不確実)、Complexity(複雑)、Ambiguity(曖昧)」の時代と呼ばれ、デジタルビジネスにおける不確定要素はますまず増加しています。エクサでは「共創ワークショップ」によって、お客様企業の知恵と工夫の集結をお手伝い致します。