企業におけるWebサイトの役割は大きく変化しています。ソーシャルやモバイルサイトの変化ばかりではなく、製造業や法人向けサービスを展開している企業などBtoB向けの事業を行っている企業Webサイトについても、従来の企業やサービスを一方的に紹介するコーポレートサイトとしての役割から、実案件につながる新規顧客獲得(リード獲得)を目的としたソリューションサイトへの変化が進んでいます。
そこで本稿では、Webサイトをより営業活動に貢献する手段として利用するために、現在のWebサイト分析から始めるWebサイト改善についてご紹介します。
Webサイトの役割の変化
冒頭にも述べたとおり、BtoC向けのみならずBtoBを対象とした製品やサービスをもつ企業においても、Webサイトの役割が変わってきています。
これは、一般消費者のみならずビジネスコンシューマ(ビジネスパーソン)においても、日々の業務活動におけるデジタル比率の飛躍的な拡大が背景にあります。
つまり、ビジネスシーンにおいても情報収集のために都度都度営業と面会していては効率が悪く、各種調査はインターネットを活用して作業するというスタイルになっています。そのため、企業活動においても、これらの環境変化に対応する必要があり、顧客のニーズを満たすためにも、まずは適切な情報をWebサイトで提供することが営業活動の第一歩となっています。
営業活動につながるWebサイトを作るために
おそらく、ほとんど全ての企業においてWebサイトは既に立ち上げられていて、何かしらの情報を掲載していると思います。そこで、まずは自社のWebサイトのアクセス状況や閲覧ページの傾向などを分析してみることが大切です。
作りたいイメージは多種多様で一人一人その内容は異なるかもしれません。しかし、数値化されたWebサイトの利用状況などは過去を表す指標です。まずは現状を把握し、そこから本来あるべき姿を炙り出すことから始めることが大切です。
Webサイトの分析ポイント
Webサイトを分析するための指標はいろいろあります。またそのためのツールも無料で利用できるものから、高度な機能がついた商用ライセンスの製品まで多岐に渡ります。
ここではGoogleが出している無償ツールを基に、抑えておきたい分析のポイントについてご紹介します。
アクセス状況
Webサイトのアクセス状況にはいくつかの指標があります。最も代表的なものは、ページビューとユーザ数(またはセッション数)です。これを合計値または階層別、時系列などでみていくといろいろな事実を発見することができます。
Webサイト分析のツールとして最も有名なのが「Google Analytics」で、多くのサイトでGoogle Analytics用のタグが設定されています。Google Analyticsを活用することで、タグが登録された日から時系列にデータを保持できるため、以下のような様々な過去の記録を確認することができます。
- ページビュー
- 来訪者数(新規・再来訪)
- 利用デバイス
- 地域
- Webページの閲覧数、訪問者数、離脱率
タグを設定するだけで非常に多くの情報を確認することができます。Webサイト分析に必要な機能が網羅されていて、アクセス分析の基本編として最適です。
ページコンディション
Google Analyticsでページのアクセス状況が把握できたら、さらに各ページの状態を調査していきましょう。本来のあるべき状態でページが公開されているのか、何かエラーが出ていて利用しづらいページになっていないか、など、Webサイトの状態を把握する必要があります。
Googleが提供している「Google Search Console」を使用すると各ページの簡単なヘルスチェックを行うことができます。各ページのエラーや読み込み速度の状態や内部構造にエラーがないかなどを確認できます。問題がある場合は、すぐに対処することをオススメします。また、自社のサイトにはどのようなキーワードで流入しているのか、Googleを使った検索結果へのサイト表示数・クリック数や検索ランキング、以下のような情報などを確認することができます。
- 合計クリック数
- 合計表示回数
- 平均CTR
- 平均掲載順位
キーワード分析
Webサイトのアクセス分析とヘルスチェック、検索キーワードの分析などを進めていくと、徐々に見えてくることがあります。それは自社のWebサイトがどのように利用されているか?ということです。
多くの場合、会社名や製品名が検索キーワードに使われ、特定のページばかりが閲覧されているのではないでしょうか。すでに製品や社名を知っている人がその単語を使ってアクセスしてきているということです。
つまり新規顧客を獲得したい場合には、より幅広く情報を掲載する必要があり、社名や製品名を知らない顧客であっても、サイトに訪問してもらう仕掛けが必要になります。
そこで重要になるのが使用するキーワードです。
自分たちの製品を知ってもらいたい顧客層がどう言ったことに関心があり、どのように情報探索しているかを検討してみることで、自ずと使用するべきキーワードが見えてきます。
「Google広告」に含まれる機能「キーワードプランナー」を使用すると、各キーワードの月間ボリュームや人気度を調べることができます。
- 上限クリック単価
- クリック数
- 表示回数
- 費用(広告単価)
- クリック率
- 平均クリック単価
など、インターネット上でどのようにキーワードが利用されているのかを特定の指標から読み取ることができます。「過去の指標」をみると、月別に月間検索ボリュームが表示され、検索頻度を時系列に調べることもできます。
いくら関連性が高いキーワードであっても月間ボリュームがあまりに小さい場合は、注目度が低いこととなるため、置き換え可能な他のキーワードなどを調べていくことになります。
商品情報に様々なキーワードを盛り込む
ここまでWebサイトの分析すべきポイントとして、アクセス状況、ページコンディション、キーワード分析をご紹介してきました。ある程度、サイトの状況が把握できてきたら、次にどのように対策していくかを決めていきます。
当然、大幅なリニューアルを検討する場合や、部分的に優先すべき点から改善に着手する方法もあるかと思います。
ただ、非常に重要なポイントとして、流入して欲しいターゲットを狙ってサイト来訪数を伸ばすためには、適切な情報をきちんと網羅して掲載している必要があります。いくらきれいなデザインでページを作成しても、見つからなければ誰もアクセスしてきません。
そこで、BtoB向け商材を扱っている企業サイトでおすすめなのが、「商品情報管理ソリューション」です。
「商品情報」と言っても単なるスペックやカタログ情報ばかりでなく、顧客が抱える課題、監督官庁や調査会社が発表しているレポート、ホワイトペーパーなども対象となります。また、製品に関連するドキュメントも当然活用します。カタログ情報だけではなく、製品紹介動画、操作マニュアル、メンテナンス情報、品質検査の公表データなど、顧客が検討時に必要となる貴重な情報が社内資産には豊富に蓄積されていると思います。
これらを統合的に管理して商品情報として公開することは、顧客に商品理解を高めるばかりでなく、Webサイトの集客力を高める手段としても非常に効果的です。
まとめ
いかがでしょうか。Webサイトの役割が変化しているものの、なかなか情報更新ができず、案件獲得のツールとしては使いきれていないのではないでしょうか。
まずは無料で使えるツールで簡単な状況分析を実施し、現在のWebサイトの実力を把握してはいかがでしょか。
また、自分たちの製品やサービスをどのような方に知ってもらいたか?と改めて考え直すことで、提供すべき情報についても整理できてくると思います。
自社の商品情報はもとより、それにまつわる自社ならではのノウハウ資産を効率的に活用しWebサイトを作っていけば、単なる売り込みでなく、顧客との課題共有や解決方法の示唆ができ、希望の顧客層にリーチできるようになります
いきなり完成形を目指すのでなく継続的に情報を用意し、定期的にWebのアクセス状況を確認することで、改善プロセスが効率的に周り始めます。
商品情報管理のソリューションにご興味のある方は、是非お気軽にお問い合わせください。
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